Synchro Arts
Save hours in the studio with vocal processing software created specifically to enhance and simplify the processes of music producers and audio engineers.
K-POPは世界でもっとも細部にこだわる音楽ジャンルのひとつ。ボーカルプロダクションも例外ではなく、緻密で洗練された仕上がりが求められます。
ITZY、Red Velvet、Mamamooといったトップアーティストを手掛けてきたプロデューサー Alina Smith(アリーナ・スミス) が、自身の楽曲「Moody」を例に、現代ポップスを支える5つのボーカル制作テクニックを公開しました。
ダブリングをきっちり揃えるところから、きらめくようなボーカルパッドまで——現代ポップを象徴するクリアで力強く、洗練されたボーカルを生み出す彼女の手法を紹介します。
ボーカルのタイミング合わせは単なる技術的な作業と思われがちですが、プロデューサーのアリーナにとってはクリエイティブなプロセスのひとつです。彼女は VocAlign Project 5 を使って、ダブル、ハーモニー、ギャングボーカルのタイミングをAbleton上で完璧に揃えています。これは、ポップスのボーカルプロダクションに欠かせないツールのひとつだといいます。
「ダブやハーモニーがタイトに揃っていると、聴いた瞬間に気持ちよくて、すごくハッピーになるんです。それが私のプロデューサーとしてのスタイルの大事な部分なんです。」
また、ジャンルによってどれくらいタイトに揃えるかをコントロールできる点も重要だと語ります。自身のポップ作品では「しっかり揃える」ことが欠かせませんが、ロックやカントリーのようにラフさが魅力になるジャンルでは、あえて少し緩さを残すのが効果的だとしています。
「特にダブルボーカルにはVocAlignを強くおすすめします。ダブルが「別録り」だと分かってしまうのは好きじゃなくて、あくまで「ひとつの声」として聴こえるようにしたいんです。」
リバーブ・スローは、ボーカルプロデューサーがよく使う定番テクニックのひとつです。
特定の単語やフレーズを複製して長いリバーブをかけ、その瞬間をより大きくドラマチックに聴かせます。特に アドリブや感情のピーク で効果を発揮し、楽曲に奥行きと迫力を与えます。
とアリーナは語ります。シンプルながらも、ボーカルミックスにプロっぽい仕上がりと雰囲気を加えられるテクニックです。
「その瞬間を特別なものにできるんです」
とアリーナは語ります。シンプルながらも、ボーカルミックスにプロっぽい仕上がりと雰囲気を加えられるテクニックです。
リバーブやディレイをただ一定でかけるのも悪くはありませんが、より立体感のあるミックスにしたいなら オートメーションが効果的です。
アリーナはDAWのセンドバスを使ってリバーブやディレイをオートメーションし、ボーカル本体はドライのまま保ちながら、曲の展開に合わせてエフェクトが自然に膨らんだり引いたりするように調整しています。
「ボーカルエフェクトを思い通りにコントロールできるんです」と彼女は言います。特にサビではリバーブとディレイのゲインを上げて、楽曲全体を「一気に広がったように」感じさせるのがポイントです。
ギャングボーカルはメタルだけのテクニックではありません。
アリーナはポップスでも積極的に活用し、サビに迫力と広がりを加えています。やり方はシンプルで、複数人で声を合わせて叫ぶ・唱える のを録音するか、自分の声を何度も重ね録りします。マイクから少し離れて収録し、パンを左右に広げ、ミックス内では音量を抑えめにするのがコツです。
さらに彼女のボーナス・アドバイスとして、EQで低域を整理して音を軽くし、少し歪みを加えると、より存在感のあるギャングボーカルに仕上がります。
最後のテクニックは、空気感のあるハーモニーを重ねてボーカルパッドを作る方法です。
アリーナは「ボーカルは唯一無二の楽器。他の音色は誰でも再現できるけど、自分の声は他にない」と語ります。
彼女は三声のハーモニーを録音し、EQで高域を強調。その後、左右に大きくパンして、リードボーカルの周囲に浮遊感を持たせています。
結果として、シマー感のある豊かで幻想的なサウンドが生まれ、モダンポップに欠かせない独自の雰囲気を演出できます。
初めての楽曲制作であっても、リリースに向けて完成度の高いボーカルを仕上げたい場合でも、アリーナ・スミスのアドバイスは「ポップスにおけるボーカルの魔法は、細部へのこだわりと判断力から生まれる」ことを教えてくれます。
もしVocAlign Project 5を試してみたいなら、14日間の無料トライアルで今回紹介したテクニックを自分のセッションに取り入れてみることができます。
今後も、ボーカルプロダクションのテクニック、プラグイン活用法、実際の制作現場でのノウハウなどを紹介していきますので、ぜひチェックしてください。
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